こんにちは。
車の修理屋たけしくんです。
今回は第67号
『~整備士の視点で見る現代社会(3)~ 依存性食品の誘惑 食品産業の裏側と健康への道しるべ』
です。
非常に体力を要求される自動車整備という仕事は、その性格上、人一倍健康に気をつけないといけません。
昨年末、体力の低下を顕著に感じ、思い切って食習慣を変えました。
「食」にフォーカスした理由は、忙しい仕事中の短い休憩時間、手軽に空腹を満たす菓子類やパン類に強い依存性を覚えるようになったからです。
具体的な変更点は、米飯主体の食事に切り替え、甘いお菓子やパン類を極力摂取しないようにすること。
食事内容は、全体の8割を白米とし、煮魚、卵、季節の野菜、たまに肉類のおかずです。
但し、一切加工食品を食べないという厳格さは設定しませんでした。
現代社会を生きる上でそれは極めて困難で、完全な断絶は精神的ストレスを招きます。社交性を欠く場面もあるでしょう。ですから「基本摂らないように努力する」程度の柔軟なイメージです。
変更した食事は白米比率が高いので、糖代謝(血糖値、ヘモグロビンA1C)はどうかなと思いましたが、予想に反してかなり改善。
その他、体重、体脂肪、脂質、尿酸値など、検査結果の多くの項目で改善がみられましたが、数値的なことより、
「疲労回復の早さと活力」
をはっきり体感したのが印象的でした。
あなたは『ハイパーパラタブル食品』をご存知でしょうか?
加工食品企業は、砂糖、塩、脂肪の最適な組み合わせを研究し、人間の脳により強く働きかける「超美味」な食品をせっせと開発しています。
これら人工的で特に魅力的な味わいの食品をハイパーパラタブル食品と呼び、それらは、自然界には存在しない栄養密度と味の組み合わせを備えています。
多くの加工食品、例えば、チョコレートやポテトチップスなど甘いお菓子やスナック類、ハンバーガーやフライドポテトといったファストフード、高い塩分の加工肉などがこれに該当し、その「おいしさ」や「やめられない」感覚を売りにしています。
精製糖類や同炭水化物は脳内の報酬系を刺激し、ドーパミンの放出を促します。
これらの食品を口にして、「もっと食べたい!」という抑えられない衝動を感じたことはありませんか?
これは、アルコールや一部の薬物と同様のメカニズムで、脳の快楽中枢をハイジャックし、その味覚の罠になるのです。
食品企業は、この「中毒性」を直接的に宣伝することはありませんが、「止まらない美味しさ」などのフレーズを使用して、間接的にこの特性を強調。人間の生物的な感情と嗜好、依存のメカニズムを巧みに利用していると言えるでしょう。
そして、砂糖や小麦を主原料とする製品は、比較的安価に生産できるので、利益率が高く、企業にとっては魅力的でもあるのです。
また、加工食品や小麦製品は往々にして調理不要だったり、必要だったとしても簡単で、すぐに食べられます。この特性も、即時を好む現代社会のトレンドと親和性が高く、依存を促進する一要因なのかもしれません。
さらに、食品添加物や糖分含有量に関する規制は、タバコやアルコールほど厳しくありません。すなわち、潜在的に有害な製品の広範な流通を合法的に可能にしているというわけです。
このような依存性の高い食品が溢れる現代、消費者が自身の健康と食習慣に対して意識的になることが大切だと思いますが、それらの依存から抜け出すには、時間と忍耐が必要です。
ちなみに僕の場合は、1か月ほどで、あれほど求めていた加工食品にあまり興味が無くなり、嗜好が変化。自然の味わいを楽しみ、満足するようになりました。
健康的な食習慣への転換は、決して容易ではありません。
しかし、その先にある「疲れにくい体」と「自然な美味しさの気づき」は、努力に値する最高のご褒美だと思っています。
健康は、日々の小さな選択の積み重ねです。今日から、あなたの食卓に何を置くか、いま一度考えてみませんか?
※ご注意:
急な食習慣の変更は、体に不調をきたす可能性があります。僕は定期的に医師に相談、血液検査を実施して、異常を捉えやすい環境を整えています。一般の方が実践される場合は、大きな変更を加える前に、まずはご自身の健康状態の点検から、専門医師にご相談されることを強くお勧めします。
《第67号『~整備士の視点で見る現代社会(3)~ 依存性食品の誘惑 食品産業の裏側と健康への道しるべ』おわり》
それでは、次号をお楽しみに!
最後までお読み頂き
ありがとうございました。
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