緊急事態が継続される特定警戒都道府県(北海道、東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、京都、兵庫)では引き続き5月末まで休校となる状況ですが、地域によってはGW明けから商業施設や学校が再開される所も出てきました。学校ではインターネット環境や端末に関するアンケートがなされ、小・中学校の児童生徒のタブレットPCやモバイルルーター等オンライン学習環境の整備が進んでいます。多くのご家庭でタブレットやPCが家族共有であったり、子どもが専用で使える機器がスマホしかないことから、生徒全員にiPadが1台貸し出しされる地区も。
アプリコット出版には連休の間もその後も、コロナ下のさまざまな取り組みの様子が悲喜こもごもの言葉で届きますが今回は学校でのオンライン授業の感想を少しご紹介します。
【1.オンライン授業奮闘記】
~保護者視点~
■中学1年の娘さんを持つママより
5/7は娘が初のオンライン授業でした。ZoomのIDがセキュリティ上で直前に来たためアクセスが集中しトラブル発生、親も子どもも時間に間に合わない!とパニックに(苦笑)。その他、授業後に感じたことは次の通りです。
・プリントなどしっかりアナウンスしないと予想以上に準備の時間が必要
・買ったまま出番がなかった制服を女子が着て張り切る(上から下までうちも着てました)一方で男子は気合なしの私服だったため全員大爆笑…。
・かなり疲れるらしく、午前授業にもかかわらず中間でおやつが必要に(ガス欠状態)。
・数学は問題なかったようですが、英語をオンライン授業にするためには教師側の工夫と苦労が…
・娘の今日の授業の感想:「国語の女の先生、背が168cmもあるんだって!」でした(笑)。
(同様の声・複数あり)
~生徒視点~
■小学3年生Aちゃんの場合:
新しい学年になって、誰とクラスが一緒になったかを知りたいらしく、カメラに映った生徒達の顔をガン見(笑)。「ええ~!また〇〇君と一緒のクラスか~」(笑)。先生はずっとばたばたしてたよ。持ち物とか全然みんなそろわなくて(苦笑)。
■小学4年生Mちゃんの場合:
自己主張が強い性格のMにとって、オンラインレッスンでは先生の視線がみんなの方を一斉に向いていて、自分の方をちゃんと?向いてくれていることがわからないため、自己顕示欲が満たされず、対面式でないオンライン授業はツマラないと・・・・。
■小学3年生 Yちゃんの場合:
英語の授業で好きな果物をI like...で言っていく時、友達同士でも会話できると思ったけど、先生が自分の発言以外はミュートかけちゃうから、友達の発言に突っ込みが入れられなかった・・・(多人数参加のケースでミュートされるので、ぶどうが好きな友だちがI like strawberriesと言っているから、ちゃうやんかーと言ってるのに誰にも聞いてもらえなかった)
オンラインでは先生も子供達も顔回りしか見えず、子供達は同じ区画に等間隔に区切られた画面に収まっているため、自由に発言できる雰囲気はゼロ()、やはりIce Breakの時間が大切であると感じます。
画面越しでは、お互いを知り共通点を見つけたり、お互いの違いを認めながら仲良くなる合間の時間が持ちにくいので、自分の好きなこと、興味のあることなどを伝えあってお互いを知り、いつしか「いつもの仲間」となっていけるよう、自分の居場所と感じられる空気づくりが重要であるように感じています。
~先生方から5月初旬に頂いた声を一部ご紹介~
■APRICOTさん主催のZoom Meeting(4/29)に参加し、先生方が本気でオンラインレッスンに取り組まれていて、自分の出遅れを取り戻すべく、その後カードのシャッフル練習などを必死でやり、連休中も暇さえあればいじって、操作に慣れる練習をしました。
その中で、少し発見したことがあるので、みなさんと共有できたらと思いメールしました。(もうすでにご存知でしたら無視してください)。 私は、Learning World のクラスカードCD-ROMをパソコンに取り込んでいるのですが、Zoomの画面共有でカード画面を映し、クリックでカードを進めていくと、カードシャッフルのように生徒に見せることができました。「コンピューターサウンドを共有する」にチェックを入れておくと、パソコン内に取り込んでいるCDを同時に再生して生徒に聞かせることができ、CDの音に合わせて、カードを変えていくことで、音付きカードシャッフルがとてもスムーズにできました。画像と音にズレが出ないかもチェックしましたが、音に合わせてシャッフルして問題なかったです。私はこれを、Book2やBridgeテキスト最初のClassroom Englishの練習に使っています。よろしければ皆さんお試しください。(兵庫県 K先生)
■4、5月とオンラインレッスンが続いていますが、ラーニングワールドはテキストの最初の部分で、自己紹介も多いため、画面上で友達に質問したりしながら、オンラインでもクラスとしての一体感を味わえるので良かったです。 小6の新規クラスをLW2のテキストでスタートしましたが、各国々の英語名や挨拶などが、ちょうど今年から始まる学校の英語の教科書で触れられているのでぴったりです。(茨城県 T先生)
この他、たくさんの声をいただきましたが、不安や思考停止から一転、前向きにオンラインレッスンにトライされている方が多く、4月初旬からの心情の変化と進化の速さには驚かされています。
【これからの時代に必要なのはresilience(レジリエンス) 】
resilienceという言葉は今制作中のテキストにも入れており、弊社内で何か困難な状況になった時、前向きになるための合言葉にしている言葉でもあるのですが、メルマガで先にご紹介することになりました()。
the ability to become strong, happy, or successful again after a difficult situation or event
困難な状況に陥った時にずっと落ちこみっぱなしではなく、そこから這い上がって?良い方向へ舵を切ることができる力、です。大学入試改革でも、今後は記憶力が良ければ良い成績が取れた時代とは異なり、問題解決能力や柔軟性が大切になることは周知の事実です。
ストレスや失敗・困難な状況に直面した時に、そこから問題点を見つけ出して解決・成長へ持っていける能力、ショックに打ちのめされてもいつしか「良い方向へ動き出す」という bounce backする力が大切な時代が、コロナと共にやってきたと感じています。
英語を学ぶ過程において、face to faceの通常レッスンでStudent centeredで行うことが効果的であることに変わりはありませんが、コロナ下において、3月当初は戸惑いや不安があったものの、4月に入り緊急事態が長期化すると判断するや否や、子供達といつものように繋がり、学びを継続するためにオンラインレッスンのやり方を調べ、練習し、5月には通常のレッスンをいかにキープするかを日々考えていらっしゃる先生方のしなやかな判断力、行動力と前向きな思考には、ただただ「素晴らしい!」と感じ入るばかりです。
離れていてもインターネットを通して共に学ぶことができることは貴重で、最初はドタバタしながらのオンラインレッスンも仕方ない、やらないよりはいい、やってみたら悪くない、保護者は喜んでくれている、子供達も慣れてきた、今後はオンラインレッスンと通常レッスンをいかに組み合わせるか、と前向きにとらえている方に心からエールを送るとともに、出版社ができる最大のことを今後提供していきたいと考えています。