早いもので、もうすぐ立春。日中の制作ルームの窓から入ってくる光が、随分と明るく感じられるようになってきました。今日も快晴。仕事の合間に、あたたかいお茶を飲みながら、外の景色を眺めるのも大切な時間です。
さて、今日は少し制作のお話を書こうと思います。
昨年の終わりに、ファツィオリのピアノ音源を手に入れてから、次回作はこのファツィオリを使って制作をするつもりでいたのですが、弾き続けているうちに、どうも自分のイメージした音色にならない場面が多々あることに気づきました。10種類のマイクを組み合わせて音のバランスを作れる音源のため、最初はそのバランスの問題かと思って、セッティングをかなり変更してみたのですが、それでもどうしても何かが違う。この微妙な違和感、自分の体調や心も関係してくるので、数日間何度も試しては距離を置き、を繰り返していました。
そして、少なくとも今の段階では、ファツィオリではなく、前作と同じスタインウェイの音源で、少しだけマイクのバランスを変えていこう、という結論に至りました。
僕なりの見解ですが、ファツィオリのF308は、かなり長いピアノ(スタインウェイより30cmも長い)ということもあって、中低音の伸びは豊かで、コンサートで大きなホールで、強めのタッチや、大きなダイナミクスが必要な場面でピアノを豊かに響かせる時、かなり力を発揮するピアノだと思います。ただ、個人的にこだわりのある、小音量での高音域での表現の時に、どうしても少し落ち着き過ぎてしまう傾向にあるようです。音のバランスも、調整まの素の状態で、高音は少し弱め。自分の好みから言うと、決して嫌いではないのですが、明るい曲をキラキラ弾きたい時、星空のようなキラキラ感を出したい時、スタインウェイD-274ハンブルクモデルの少し金属的な響きの方が合っているようです。
こればかりは、音源を購入する前に、メーカーのサイトでデモをいくらたくさん聴いて想像してもどうしても掴めなくて、実際に購入して、音を鳴らしてみて気づくこと。いい勉強になりました。もちろん個体差があるので、全てがそうとは限りませんが、自分の中でスタインウェイ愛が深まるきっかけになった出来事でした。
まだ次回作のアルバムの全体像はおぼろげで、本格的な制作には入っていませんが、これまで自分が培ってきた世界観を大切にしつつ、今とこれからの自分に出来る、音を通して伝えたいテーマを、喜びと共に表現していくのがますます楽しみです!
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そして、お陰様で昨日、インスタグラムで「幸せのエッセンス」が、リール・写真投稿でBGM使用件数が6万件を突破しました!「春の足音」の5.4万件を抜いて、Yuusukeの楽曲の中で1番人気の曲に。とても嬉しいです!ありがとうございます!