5歳女児が両下腿の皮疹、掻痒感を訴え救急外来を受診した。彼女は最近アフリカ、シエラレオネから帰国したばかりであった。皮疹は3週間かけて増大傾向、潰瘍形成を伴っていた。発熱はなく、CRPは軽度上昇、白血球数は正常範囲内であった。皮膚の培養が提出され、フロキサシンが開始された。培養結果はStaphylococcus aureus, group A streptococcus, and Corynebacterium diphtheriaeが陽性となった。グラム染色はcorynebacteriumの特徴を呈するグラム陽性桿菌を認めた。An immunodiffusion test (Elek’s test)が陽性で毒素産生が示唆された。皮膚ジフテリア症の早期所見は境界明瞭な治癒しない潰瘍である。抗菌薬はクラリスロマイシンに変更された。接触者のフォロー、家族に対して抗菌薬の予防内服を開始した。クラリスロマイシン投与1週間後皮疹は消退した。