こんにちは。滝井です。
コロナの影響はまだ続き、緊急事態宣言も延長されたところもあります。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
私の知っている方も、まだお目にかかったことのない方も、
これを読んでくださるご縁をいただいた皆さまのご健康を心から願います。
コロナに、インフルエンザに、花粉症にと心配ごとは尽きませんが
どうかご自愛ください。
今日は、「日常で成長すること」について考えていきたいと思います。
のんべんだらりと過ごすのも、悪くありませんが
これを読んでくださる方はそういう志向は低いのではないかと思うので
日々進化するヒントが見つかれば幸いです。
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「体験すればいいってものでもない」
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体験学習という概念が教育の場で広く取り入れられるようになって、随分経ちました。
たしかに、知恵は座学だけでは得られないものがあります。
自分の体で実際に体験したものは、より多くの学びを得られ、記憶にも残りやすいでしょう。
ハウツー本を読んだだけで画家になった人なんていないように、実際に「やる」という体験を多く積み、ようやくモノになっていきます。
しかし、ただ体験があればいいのでしょうか?
「体験」というと、同時に引き合いに出されるのは「経験」です。
デジタル大辞泉(小学館)によると、
【体験】
1 自分で実際に経験すること。また、その経験。「貴重な体験」「戦争を体験する」
2 《(ドイツ)Erlebnis》哲学で、個々の主観のうちに直接的または直観的に見いだされる生き生きとした意識過程や内容。特に、生の哲学ではその中心概念をなす。
【経験】
1 実際に見たり、聞いたり、行ったりすること。また、それによって得られた知識や技能など。「経験を積む」「経験が浅い」「いろいろな部署を経験する」
2 哲学で、感覚や知覚によって直接与えられるもの。
・・・と書かれています。
私のイメージでは「体験」は職業体験、戦争体験など実際に自分の体で体験する個人的なもので、
「経験」は業務経験、人生経験など広く使われ、得られた知識、技能なども含まれるものと考えます。
経験は、次に活かせる学びを含んでいますが、
体験は体を通した単なる出来事でしかなく、それを振り返り、省察することにより学びや気づきを得られます。
つまり、「体験したら振り返りや反省をして、そこから学びを得なければ本来の学習の意味はない」気がするのです。
こどもの「お仕事体験」であれば、「お仕事はこんな感じなんだ~」「こういうことをするんだ」ということをただ知ることが出来ればOKですが、
大人の業務経験は、「この案件は締切が近くにせまるまで手を着けなかったからうまくいかなかった」という振り返りと分析ができ、「仕事は早めに取り掛かるほどミスが少なくなる」という抽象的な学びを得られ、次に生かされてはじめて体験が生きてきます。
(※コルブの経験学習について、以前HPのブログに書きましたのでご参照ください。)
https://time-coaching.net/coaching/keikengakushu/
体験しっぱなしではダメで、振り返りでそこに学びを抽象的に概念化することで、次に活かせるものとなります。振り返りのない体験はただの思い出です。
そして、この振り返り(省察する)行為は、成長のスピードを上げます。
1000回分、時間をやたら掛けて、体だけを動かす壁打ちをするより、時間は短くても1回ごとにどこに力を入れたか?そうすることでどんな効果があったか?どんな打ち方がきれいに決まったか?それは何ができていたからできたのか?と考え、蓄積することで、自分のベストプラクティスが出来ていくからです。
コーチングを面談で活用しているYahoo (1on1ミーティングという面談でコーチング、ティーチング、フィードバックを上手く取り入れています)では、「ちゃんとしたワンオンワンをやると、業務時間の全てが研修になる」という名言も生まれているそうです。
「日常の時間すべてが、学びの時間となる」というのは、すごくないですか?
振り返り(省察)の時間は時間の投資となり、体験にかけた時間に価値が生まれます。
では、振り返りってどうやるのでしょうか?
(内省、リフレクションとも言います。)
自分の体験を思い起こし、考えるまな板に乗せます。
日常の体験は、こうした機会を改めて持たないと、サ~ッと流れてしまいます。
(先週、インパクトのあった出来事を思い出してみてください!きっとそれは、今思い出さないと記憶の彼方に流れてしまって、一生思い出さない日常の一コマになってるかも。振り返りは、問題発見の行為でもあると言えます。)
その時は良いことばかりでなく、痛くて苦い体験かもしれません。むしろその方がいい学びがあります。
そして、まな板の上の出来事から学びを切り分けて抽出します。
例えば、仕事で連絡ミスをしたとしましょう。そのテーマをまな板に乗せ、
「今回の失敗の原因は、自分が連絡をしたつもりになっていたからだ。」と分析したら
次に活かす教訓を作ります。
ここで「ミスをしないように意識しよう」とか「気をつけよう」とかでは、あまりよろしくありません。
「意識する」とか「気をつけます」というのは、便利な言葉ではありますが、学びとしてはぼやけすぎています。
「連絡はこちらが送っても、相手に必ず受け取ってもらえるとは限らない」という教訓が得られて、
「これからは連絡が届いたか必ず確認するという教訓はチャットツールを使って伝わったか確認しよう」というくらいの具体的なイメージができれば、行動も変わります。
振り返りは、自分ひとりでもできます。ノートで文字化してもいいし、器用な方なら頭の中で言語化してもできるでしょう。
ただし、自分ひとりの振り返りは甘くなる可能性も残りますので
コーチング・セッションで扱うのも良いと思います。
コーチはあなたの苦い経験も貴重な学びとして、大切に扱ってくれるはずです。
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体験は振り返りをしないと意味がない
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<編集後記>
最後までお読みくださって、ありがとうございます。
どうぞ良い一日をお過ごしください。
タイムマネジメント・コーチ 滝井いづみ
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●タイムマネジメント・コーチング●
【発行人】 滝井いづみ
(財)生涯学習開発財団認定コーチ
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