こんにちは。
車の修理屋たけしくんです。
※重要なおしらせ※
最近、メルマガにご登録いただいているアップル系メールアドレス(icloud.com、mac.com、me.com)への配信エラー(メール不達)が多発しています。
これはアップル系メール独自の受信メール選定の厳格さによるもので、メルマガのように一斉配信メールに対して厳しい判断が下される傾向のようです。
確実にメルマガをお届けするために、アップル系メールアドレスご登録の方で、他のメールアドレスをお持ちでしたら、
1.まずメール最下部の「配信停止」をクリックして配信停止のお手続きいただき
2.以下で、再登録をお願いします
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※ご注意※
配信停止せず、再登録した場合、システムが重複登録と判断し、今後の配信に影響する場合がありますので、くれぐれもご注意ください。
さて、今回は第68号
『~整備士の視点で見る現代社会(4)~ 文字か動画か?デジタル時代の情報伝達の在り方を考える』
です。
ご存じの通り、僕は自動車修理のブログサイトを運営していて、19年前、当初非公開で仕事の記録を書き始めました。
車の修理屋たけしくん https://takeshi-kun.com
その後、僕が経験したことが、同業者や一般の方のお役に立てればという思いもあり、今は情報を公開して不定期更新しています。
ここ5年ほどのことなのですが、複数のお客様から「動画を始めてみたら?」としきりに勧められ、動画ならしていますよ、と説明してもどうも違うらしく、必ず本人が登場し、全世界に向けて姿を晒して喋らないといけないらしいのです。
大変申し訳ありませんが、ムリです(笑)
スマートフォンが高機能化し、加速的に普及するようになったと実感した2018年頃、文字情報主体の僕のサイト訪問者が約半分になりました。
この頃から、主要検索エンジンは、動画コンテンツが目立つよう、露骨な表示をするようになります。
これは、ユーザーの行動データに基づいた結果で、長文を読むより、動画コンテンツの方が、好まれる傾向を反映していると言えます。
では、多くの利用者に好まれる動画コンテンツにはどのような特徴や問題があるのか、以下にまとめてみました。
〇動画コンテンツの特徴
・受動的に情報を受け取れる動画は、能動的な読解を必要とする文字情報よりも「楽」に感じられます。
・動画は、視覚と聴覚を同時に刺激します。その強力な視聴覚刺激により、人間はスクリーンに捕捉されてしまいます。そのような本能的メカニズムを利用したメディアといえるでしょう。
・スマートフォンとSNSの普及により、短時間動画の無限スクロールなど、即時的な情報や刺激を求める傾向が強まっています。
・情報そのものよりも、その提供の派手さや演出など、エンターテインメント性を重視する傾向が見られます。
〇動画コンテンツの問題点
・時間効率の悪さ:動画は線形的に進行するため、必要な情報だけを素早く取得するのが困難です。文字情報なら数秒で目を通せる内容でも、動画では数分かかることがあります。
・検索性の低さ:動画内の特定の情報を見つけるのに、スキップや巻き戻しを繰り返す必要があります。文字ベースの検索が困難なため、キーワード検索の精度が低くなります。
・構造化の難しさ:目次や索引のような構造化が難しく、内容の全体像を把握しにくいです。文書のような階層的な構造化が困難で、情報の関連性を理解しにくいです。
・情報密度の低さ:同じ情報量を伝えるのに、文字情報よりも時間がかかることが多いです。冗長な説明や不要な演出が含まれることがあります。
・マルチタスクの困難さ:動画を見ながら他の作業をするのは、文字情報を読むよりも難しいです。情報の参照や比較が瞬時にできません。
・更新や修正の困難さ:一度公開された動画の内容を更新や修正するのは、文字情報よりも手間がかかります。古い情報が残りやすく、最新の正確な情報を得にくい場合があります。
〇動画コンテンツによる身近な弊害
・「これは参考になるのでは?」とお客様から紹介された公開動画を見ると、自動車整備士でない一般の方が作った、如何にもそれらしき整備作業風景でしたが、プロなら絶対にしない極めて危険な方法を公開していました。
・クルマの内装部品離脱作業の動画を見て、簡単にできそうだと挑戦されて失敗し、修理費用が却って高額になってしまった。
という身近な例がありました。
これらは、僕が文字情報であっても How to 記事を書かない理由の一つでもありますが、動画の場合は、情報提供側も視聴者側も、このように思慮を欠いた行動になりがちではないでしょうか。
〇まとめ
結論としまして、動画は表面的で簡易な情報への傾倒や依存を招き、質の高い情報と低品質な情報を区別する能力を劣化させる可能性があります。
一方、従来の文字情報に基づくコンテンツは、複雑な概念や詳細な分析を表現しやすい特性があり、読者の能動的な思考を促します。これは人間に備わる理性であり、知恵ともいえるでしょう。その深い思考と分析が合わさり、質の高い情報提供が可能になると考えています。
しかし、動画にも利点はあります。例えば、複雑な手順や動作を視覚的に説明するのにはとても有効です。
情報提供側は、メディアの形式に固執せず、情報の性質や目的に応じて適切なメディアを選択することが重要です。
他方、利用者側は、コンテンツを識別し、批判的に情報消費する能力を養うことが大切だと考えています。
最近はAI技術を活用した動画の文字起こしや、拡張現実(AR)を用いた新しい情報提供など、動画コンテンツに文字情報を付加する変化が見られますが、ピンポイントの情報検索や深い分析は、依然として文字情報が優れていて、良質な文字情報の持つ品性や即時性、柔軟性には及びません。
質の高い文字情報の価値は不変です。現在の傾向に適応しつつも、深い思考と分析を促す良質なコンテンツを提供し続けることが、長期的には社会にとって重要な貢献となるという信念をもって書き続けていこうと思います。
あなたは日常的にどのような形式の情報を閲覧していますか?その理由は?
また、あなたが情報を探す際に最も重視することは何ですか?
《第68号『~整備士の視点で見る現代社会(4)~ 文字か動画か?デジタル時代の情報伝達の在り方を考える』おわり》
それでは、次号をお楽しみに!
最後までお読み頂き
ありがとうございました。
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