新奇な食事は代謝を落とす
このNLでは何度も紹介しているが、代謝を上げるには、マクロで言うと炭水化物を沢山食べる、食べられる身体になることが重要だ。
このロジックはシンプルで、炭水化物の食べ過ぎで体脂肪を増やそうと思うと、計算上、かなりのオーバーカロリーをしない限り不可能であるということだ。
裏返すと、炭水化物は代謝を上げるから体脂肪に変換され難い、ということになる。
気をつけたいのはデンプンであり、中途半端に消化され難いためストレス反応を引き起こして代謝を下げる。
このため、野菜や果物では太りにくいのに、ご飯やパンでは太りやすいということになる。
一般に炭水化物を増やす場合は、芋、野菜、果物の方が好ましい。
脂質の摂取は抑えなくてはならない。
糖質制限をしていると脂質代謝が亢進しているため、これは健康にとって好ましくなく、最終的にはストレス反応によってリバウンドする。
脂質を優先的に酸化することの害は何冊もの本になるくらい証左が山積している。
多価不飽和脂肪酸(PUFA)の害悪も、率先して酸化(反応)してしまうからであり、結果として組織を酸欠に導く。
ちなみに、フライパンに入れてすぐに煙が出る油は、体内でも同じで、毒物を発生しやすいと考えられる。
一番煙が出難いのがココナツオイル、出やすいのが魚油や植物油となる。
オリーブオイルは意外と出難い。
熱してみて煙が出るかどうかでオイルの質を測るのは有効な手段だ。
さて、身体があまり慣れておらず、代謝し難い食事(蛋白質+脂質のみ)を食べることで、アンダーカロリーならストレス反応によってより早く痩せるが、代謝均衡点が下がった時点でリバウンドが開始する。
体脂肪を減らそうと思って、脂質代謝を優先すると、ランドル効果により、糖質代謝が抑制され、耐糖能が下がるほか、あらゆる弊害が出てくる。
「体脂肪は糖質の炎で燃える」という言葉を肝に銘ずるべきだ。
糖質にまず火をつけることで、消費カロリー総量が大きくなる。
その一環として体脂肪の燃焼を促進することを考えねばならない。
但しこのことは健康的に脂肪を落とす、代謝を上げるという方策であって、不健康な落とし方で成功した例や、無茶をしてバリバリにした例が巷に氾濫していることは念頭に置いておかねばならない。
先に上げた進化論的視点と合わせると、オイルと糖質のコンビネーションも、糖質制限も、身体システムにとって新奇過ぎて対応出来ないため、代謝が撹乱されて健康を害することになる。 |