娘からLINEが来た。
「パピー、国語で70点以上取れたらLINEスタンプ買って！」
期待に満ちたスタンプも付いていた。
正直言うと、70点がどのくらいすごいのかわからない。
「70点ってすごいの？」と聞いてみると、
「7割だよ！」と胸を張る娘。
娘の基準は意外と低いな、と思いつつ、
このやりとりにほっとしている。
小学校の時、少しつらい時期があった。
5、6年生の時、ちょっとしたイジメにあって、学校を休むことも多かったのだ。
6年生の3学期なんか、数日しか行っていないんじゃないかな。
中学生になってからは毎日学校に通い、友達とも楽しく過ごしているようだ。
親としては、それだけで十分だと思っている。
一週間後くらいにLINEが来た。
「70点超えたよ！」
「凄いじゃん！」
約束通り、LINEスタンプをプレゼントした。
「ありがとうパピー！！！」
LINEスタンプでこんなに喜んでくれるなんてね。
こんな時期は今しかないだろうなーと、
嬉しさを噛み締める。
妻に国語の点数が良かったことを話すと
数学がダメすぎたらしくちょっと困った顔をしていた。
成績表を見せてもらうと、24点。
なかなかやりおる。
本人は、ケアレスミスが連発したからと言っているそうだが、
ケアレスミスだけで24点を構成するのは至難の業だ。
妻の教育方針は強制しない、本人の自主性に任せるというもの。
娘の場合、ゲームもYouTubeの時間も
あまり制限しなかった。
僕は「大丈夫かな？」とは思っていたんだけど、
2学期は頑張るということだったので
その方針に任せることにした。
2学期のテストの結果が来た。
数学は1学期よりも良くなかったみたい。
流石に妻もご立腹。
いつもは見せない鬼気迫る感じで
「塾解約して、新たな教材契約したから！」
と言われ
「う、うん。わかった」
と返事した。
彼女は本気のようだ。
これから妻は教育の鬼になるという。
「あなたも娘に言うようにして」と言われたけれど、
二人から言われたら逃げ場がなくなってしまうので
「僕は今のままでいるよ」と伝えた。
息子が中学受験の時、厳しく接してしまった結果、僕に心を閉ざしてしまった。
その反省もあって、ついつい娘には甘くしてしまう。
でも、女同士って強いよなー。
ガンガン突っ込んで言えちゃう。
僕は嫌われたくないが優先しちゃうからあんなに言えない…
12月になって
「クリスマスプレゼント、漫画がいいなー。サンタさんに伝えといて！」
と言う娘。
中学生になってもクリスマスプレゼントをせがんでくるんだね。
「あれ？去年サンタはお父さんだって言ってなかったっけ？」
そう言うと
「子供の夢をこわすなー」
と言う娘。
「いい子にしてたらサンタが来るんじゃない？」
と僕が言うと
「私はずっといい子です！」
平然と断定してくる。
「あのー、数学の点数が21点と聞いたんですが…。」
「・・・。サンタさんにちゃんと伝えておいてね！」
そう言って娘は部屋に戻っていった。
娘は僕と似ているところが結構ある。
小学生の時の印象は
『好奇心強いけど、意外と臆病』
『ノリはいいけど、一人が好き』
『欲張りだけど、遠慮しがち』
それが中学生になって、少しずつ変化してきていることを感じる。
そんな娘の成長を見守るのが、今の僕の役目だ。