こんにちは。
車の修理屋たけしくんです。
ブログ更新案内ばかりで、
メルマガ発行は3年ぶり。
今回は第63号
『クルマ所有の「選択の錯覚」』
です。
「選択の錯覚」とは、実際には選択肢が制限されているにもかかわらず、より多くの選択肢があると錯覚することです。
「選択の錯覚」は、おそらく多くの人が気づきにくい側面だと思います。
この概念は、私たちの日常生活の様々な場面に当てはまります。
例えば:
1. スマートフォンの所有:
常に連絡が取れる「自由」を得る一方で、仕事とプライベートの境界が曖昧になり、真の意味での自由時間が減少する可能性があります。
2. SNSの利用:
多くの情報や人々とつながる選択肢が増えるように見えますが、実際には特定の情報や意見のみに触れる「エコーチェンバー」に陥りやすくなります。
3. 大量の衣服の所有:
多くの服を持つことで選択肢が増えたように感じますが、実際には「何を着るか」の決定に時間を取られ、他の活動の時間が減る可能性があります。
これらの例からわかるように、「選択の錯覚」は私たちの生活の様々な場所に存在します。この概念を理解することで、自分の選択や行動をより客観的に見直し、本当に大切なものや自分が求めるライフスタイルについて考えるよい機会が得られます。
ではクルマ所有の場合はどうでしょう。
以下のような具体例が挙げられます
1. 移動手段の選択:
クルマを所有すると、「いつでもどこへでも自由に行ける」と感じがちです。しかし実際は、公共交通機関、自転車、徒歩など、他の選択肢を軽視しがちです。結果として、クルマ以外の移動手段を選ぶ機会が減少します。極端な例として、公共交通機関の利用の仕方が分からないという方も少なからずいらっしゃいます。
2. 居住地の選択:
クルマがあれば遠距離通勤や移動も可能と考え、郊外に引っ越す人もいます。しかし、これにより都心部や公共交通機関の便利な地域に住むという選択肢を自ら狭めることになります。
3. 時間の選択:
クルマでの移動中は運転に集中する必要があるため、読書や仕事など、他の活動をする選択肢が制限されます。一方、公共交通機関なら自動車運転という社会的責任から解放され、移動時間を有効活用できます。
4. 経済的選択:
クルマの維持費(車検、保険、税金、燃料費、駐車場代、消耗品費など)は多大です。10年以上前、200万円のクルマを都市部で9年(車検3回)乗った場合、軽く見積もって800万円の費用が掛かると試算しましたが、現在はその倍近くの費用が掛かり、家計を圧迫し、他の支出や貯蓄の選択肢を狭めている可能性があります。
5. 環境への影響:
クルマに依存し、その使用が習慣化すると、より環境に優しい移動手段を選択する機会が減少します。 つまり、クルマを所有することで得られる「自由」や「選択肢の増加」は、実際には他の選択肢を制限したり、見落としたりすることにつながる可能性があります。
クルマの所有自体は自由ですし、何も悪いわけではありませんが、その影響を正確に認識し、バランスの取れた選択をすることが重要だと考えています。
これらの例は、クルマの所有が必ずしも選択肢を増やすわけではなく、むしろ特定の選択に偏りがちになることを示しました。
僕は職業と生活は完全に別で、クルマを所有しないライフスタイルを継続していますが、クルマに限らず「選択の錯覚」を認識することで、より幅広い視点から自分の選択を見直すいいきっかけになるといいですね。
《第63号『クルマ所有の「選択の錯覚」』おわり》
それでは、次号をお楽しみに!
最後までお読み頂き
ありがとうございました。
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