さて、今回もリビングダイニングについてです。
部屋の機能 14の時に少しだけ触れましたが、ダイニングテーブルについて掘り下げて行きたいと思います。
◆ダイニングテーブル
ダイニングテーブルは部屋の中で大きな存在感を示すと共に大きなスペースを占領するため、選択に際してはこだわって購入されることをお勧めします。
安易に考えがちですが、よほど粗悪なものでない限り、一度購入すると多分、家の耐久性よりも長く存在し続けるために、飽きのこない普及のデザイン、言うなれば奇をてらったものでない方が良いと思います。
◆テーブルの大きさ
好みは人様々ですので、どこのメーカーが良いと言うのはありませんが、注目すべきは、テーブル天板の面積と床から天板までの高さです。
近年は関東間と呼ぶ910㎜を一単位とする家が多くなっています。
又マンション間などは躯体の厚みなどで、更に内法の空間が小さくなっていることもあり、テーブル自体も小さいサイズを選択せざるを得ないことが多くなります。
◆テーブルと壁
テーブルの脇には椅子を置きますよね。そして椅子に座っている状態で、その後ろを他の人が難なく通ろうと思えば、テーブルから壁や家具との距離は1.0m程必要になります。大柄な人が通ろうと思うと、もっと必要です。
◆既製品か製作品か
しかし、長方形天板の場合、テーブルの短編方向の寸法は既製品の場合、大体決まっています。これはテーブルの上で行われる行為に最適とされるおおよその寸法が決まっているためで、私の家庭では、そんなに必要ないよと言う場合は、家具屋さんや大工さんに依頼して作って貰うと言うのも一つの方法です。
家具屋さんと言うのは分かるけども、大工さんに作って貰うと言うのは一つのキーポイントですね。大工さんが家具を作る場合は、複雑な仕事は嫌がりますので木材だけで作れる単純な形にしておくと良いですよ。それ以上のクオリティーを求める場合は、やはり家具屋さんに頼むべきです。
◆何人座る
話が反れましたが、テーブル天板の短編寸法はおおよそ、80~90㎝程度の物が多いです。それに対して長編方向の寸法は比較的バリエーションが豊富で、0.8m~2.0m程度の物まであります。1辺に何人、座るかで決まりますが1人座るのに幅が凡そ60㎝あれば大丈夫ですので、片側2人、両側で4人掛を想定する場合で1.5m長さあれば困ることは無いと思います。空間にゆとりがありもう少し大きな物が欲しい場合は1.8m~2.0m位ある長さの物を考えて頂いても大丈夫でしょう。
◆高さで変わる心地よさ
そして、大事なのはテーブルの高さです。
一般的には70㎝前後の物が多いのですが、ある時我が家に貰いもののテーブルが入った時にふと、腰かけてみました。
何とも心地いいのです。
思わずテーブルの高さを測ってみると68㎝でした。
それまで使っていた物が70㎝ですので、その差2㎝です。
たった2㎝ほどですが、その2㎝で、こんなにも違いが出るのか?と感じたものです。
当然、セットで付いてきた椅子の床から座面までの高さを測ってみると38㎝、それまで使っていた物が40㎝ですので、そこでも2㎝下がっています。
椅子の座面とテーブルの天板までの高さにも使いやすい差があるのですが、たった2㎝、されど2㎝が使い心地を大きく変えることに気付き、それ以降自分の設計の中にもこの2㎝を取り入れることが増えました。
◆平均とは何か?
私の身長は176㎝で、日本人の平均身長からすれば比較的、高めの部類です。
それで一般的とされる寸法よりも下げて、心地良いと感じる訳ですから、おそらく日本人の家であれば、よほど身長の高い人で無い限り、問題は生じないと思いますが、使用する椅子との関係も気にしておきたいため、安易に大振りな北欧家具を勧めるとバランスが取れなくなることもあるため、注意が必要ですね。
写真は、造り付けたテーブルです。
置机ではなく、造り付けなので動かせないのですが、大工さんに作って貰いました。
右手写っている背もたれの丸い椅子は有名なYチェアですが、Yチェアは背もたれの高さが微妙なため、天板と背もたれがぶつかって写真のようにテーブル下に上手く納まりません。Yチェアを使う場合は事前の見当が必要ですね。
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