原因がわからない急性熱性疾患はnational Annual Epidemiological Surveillance Reportによるとタイでは毎年20万人~40万人が報告されている。患者は通常2週間以内の発熱および倦怠感、筋肉痛、頭痛、食欲不振等、非特異的な症状を呈する。急性熱性疾患の死亡率は0.02%未満である。急性熱性疾患の原因を探し、原因に対して治療方針を提案することが重要である。タイの其々の地域を代表する10の民間病院にて研究を行った。2歳以上の患者が選出された。24時間以内に38.3℃以上の発熱を呈した患者が選出され、発熱の期間は3-14日であった。胸部XP,尿検査によって異常がなく、マラリアのThick filmが陰性、その他 ヒストリー、理学所見で特に所見がない患者が対象として選ばれた。患者は入院し診断のプロトコールを使用した。その他必要な検査は指導医が施行した。患者は退院一ヵ月後にフォローした。
1240人の患者が選出され、そのうち1137人の患者がケースレコードと抗体価の結果を参照可能であった。471名(38.4%)において発熱の原因が判明した。菌血症が判明したケースは36名(3.2%)で大腸菌、レンサ球菌、サルモネラ、エンテロバクター、ブドウ球菌が主な原因菌であった。血清学的検査ではツツガムシ病(7.5%)、インフルエンザ(6.0%)、デング熱(5.7%)、発疹チフス (5.3%), 腸チフス(1.9%)、チクングニア(1.1%), レプトスピラ(1.1%), メリオイドーシス(0.9%)が陽性であった。13例(1.1%)が死亡した。
61.3%の患者において発熱の原因は不明であった。リケッチア、インフルエンザおよびデング熱が特に雨期において最も頻度の高い発熱疾患であった。