情報商材から真実へ
少し前まで果糖は身体に良くないという考え方をしていた。
それもこれも、MSM(メインストリーム・メディア=主流メディア)の考え方に感化されていたからと言える。
確かに、主張している人々は高名な博士たちであるのだが、歴史的にも多くの科学的「事実」は覆されてきており、権威に安住して知識のアップデートを怠ると、ドグマに支配されて一生が終わってしまう。
栄養学のリサーチを続けるなかで気づいたことは数多くあるが、最近特徴的なのは、分子学的な考察の限界だと感じている。
分子栄養学的な考え方を否定するわけではない。
ただ例えば、コレステロールが悪いとか良いとか、ビタミンDやCで何が治るとか、そういった問題の斬り方でまともな取り組みは不可能だ、ということが明らかになってきた。
個々の栄養素の重要性が微塵たりとも減ったわけでもない。
「既存状況とそれに対する最適解」というようなコンセプトが「外れていた」のである。
我々の身体は、与えられた環境と一体化した最善策として、既に「ある」のだ。
自分が変わる、環境が変わる、という2つの切っても切れない要素が常に入り乱れて流転している中で、いかに快適に回り続けるか、という感覚に近い。
YOU ARE WHAT YOU EAT, SEE, HEAR, FEEL, THINK, AND WHERE YOU ARE. (貴方は貴方の食べるもの、見るもの、聞くもの、感じるもの、考えるもの、そして貴方のいる場所。)
考え方で軌道修正しなければならない部分は、まず相互作用として全てを考察してゆくということだ。
亜鉛が足りない、鉄が足りない、ではSNSで人気が出ても、実践でたち行かない。
何事に関しても、真実は、包括的な取り組みになる。
「歯切れの良い言い切り」は残念ながら情報商材と言えるだろう。
(続く) |