◆家づくりに求めるもの
さて、本題です。
皆さんが家づくりに求めるものは何でしょうか?
見た目?性能?快適性?
出来れば上記3つは、どれもクリアしたいですよね。
人によっては価格の安さと言う方もいらっしゃることでしょう
でも、価格が安いと言うのはコストパフォーマンスが高いと言う程度に留めたいです。
◆只、安さを求めたければ
本当に金額だけ抑えたいのなら、ウチは安いですよとCMしている会社に任せておき、その上で見た目を良さそうに造って頂く事です。しかし、そこには限界があると思います。使える物が限られるので、その使える物の中からレイアウトを一生懸命に頑張って貰うしかないように思います。
◆見た目も大事だけど
見た目で選ぶ際の注意点
見た目が良い家の中には、やたらとガラスだらけの家もあります。
そのような家で注意したいのは、耐震面で、どのように安全性を担保しているのか?と言うことです。
これは木造の在来工法限定の話になります。
◆耐震要素は壁で確保するのが基本
ガラスの部分は耐震要素としては扱えないために、自ずと壁のある部分で耐震要素を確保するのが一般的な考え方です。
もし皆さんが、そのような家を提案された場合、「この家はどのようにして耐震性を確保しているのですか?」と尋ねてみて下さい。
「構造計算によって安全性を確認しています。」とか「周辺1/4の壁量検討によって確認しています」など明快な答えが得られるなら問題ないと思いたいですが、構造計算しているなら必ず構造計算書なるものが存在しますので、分からなくても一応目で見て確認させて頂き、構造計算書とはどのようなものと言った説明を受けましょう。
◆あやふやな回答には注意しましょう
しかし、先の質問で明快に答えられない場合は「経験的に大丈夫ですよ」とか「このやり方で今まで何の問題も起こっていません」と言った、はぐらかしともとれる答えになります。この類の答えは少し怪しいです。
◆義務が無い
木造2階建ての住宅程度の場合、建築士の設計による建物では特に構造計算をしなさいと言う法律にはなっていないために、割と無茶な設計をする設計者が存在するのも事実です。
それこそ、デザイン最優先と言う設計です。デザインのためなら他は犠牲にしても構わないと言った設計をされると困るのは皆さんですので、非常に重要視すべき点です。
◆もう一つの注意点
そして、ガラスの多い設計で気を付けるべき、もう一つの点は温熱環境面で不利になり易いと言うことです。
室内で発生する熱の7割は窓から逃げていきます。ですのでその対策をどのように講じるかを考えておかないといけません。
一般的に南面の窓は熱線吸収ガラスにして大きめに確保しても構わないのですがその他の面の窓まで大きくしてしまうと温熱環境面で不利になります。
樹脂サッシや樹脂アルミの複合サッシ、若しくは木製窓でも相当高性能な物まで出ていますので、そう言った製品に依る対策も必要成ります。
デザイン上、コーナーに枠を設けずにガラスを連続させて直角を作る場合も構造上シングルガラスでしか実現できないために、温熱面では何か対策が必要となります。
◆内部空間を豊かにつくる
私の設計では専ら内部空間を豊かにしたいとの思いがあるために、外観上は機能に従うデザインとなることが多いですね。 |