本書では、オフラインがなくなる世界を「アフターデジタル」と
呼んでいます。
その世界を理解し、その世界で生き残る術を解説しています。
エストニアやスウェーデン、中国といったITの先進的な事例を
紹介するとともに、その裏側にある考え方が説明されています。
来るべき未来を考えたとき、
「すべてがオンラインになる」と著者は捉えています。
モバイル決済などが主流となれば、
すべての購買行動はオンライン化され、個人を特定するIDにひも付きます。
IoTやカメラをはじめとする様々なセンサーが実世界に置かれると、
人のあらゆる行動がオンラインデータ化します。
つまり、オフラインはもう存在しなくなるとさえ言えるのです。
これからの新しい時代を生き抜く企業の戦略としては、
オンライン上のサービスにおいても、いかに自社の強みを
生かしていけるかが求められるでしょう。
本書では、
「それで得られた最適なタイミングで、
ユーザーに対して日本らしい『人の手厚い個別対応や心遣い』
を補うことができれば、私たちは『世界最高の良い体験』
を提供できるようになるでしょう」
と締めくくられています。
諸外国の様々な先進事例を取り入れつつも、
「おもてなし」と表現されるような日本らしさを
IT技術の面でも発揮していく必要があります。