「ギグ・エコノミー」とは、
インターネットを通じて単発の仕事を請け負う働き方のことです。
「ギグ(gig)」は英語のスラングで、
ライブハウスでの短いセッションや、クラブでの一度限りの演奏のことを言います。
クラウドソーシングで商品デザインを受注したり、
オンライン配車サービスの運転手となったり、
インターネットサービスの多様化に伴い、
個人の働き方にも変化がみられています。
技術や通信網の発達によって可能になったギグ・エコノミーですが、
これだけ拡大している背景には、当然、それなりの理由があります。
ギグ・エコノミーにまつわる登場人物は基本的に3人です。
まず、サービスの受け手である消費者。配車サービス(例えば、Uber)であれば、乗客。
次に、消費者にサービスを提供する労働者。配車サービスの場合、運転手。
そして、消費者と労働者をマッチングするための場を提供し運営している、プラットフォーマー。配車サービスそのものです。
いくらプラットフォーマーが場を提供したところで、消費者と労働者の双方にメリットがなければ、ビジネスとして回っていかないはずです。
労働者にとってのメリットは、柔軟な働き方が可能になること。
働きたいときだけ働くということが可能ですから、他の仕事と組み合わせることが容易です。
副業に適していますし、育児や介護で時間の制限が多い人にとってもメリットがあります。
また、ギグ・エコノミーの市場が拡大すれば単純に仕事が増えることになり、それも労働者にとってはメリットになります。
消費者が気軽に利用できるということは、逆から見れば、労働者も仕事を見つけやすいということです。
ギグ・エコノミーが拡がっていくことは、個人だけではなく企業にとってもメリットがあります。
なぜなら、スキルのある労働者を雇うのではなく単発で使うことで、リスクや固定費を抑えることにつながるからです。
企業側にとってこれまで以上に労働力が機動的になり、短期かつ案件ベースで仕事を発注できるようになりました。
「自由な働き方」「独立した働き方」という価値観が広がりつつあります。
会社に縛られず、好きなときだけ自分のペースで働ことがクールなんだという文化を背景に、日本でも「ギグ・エコノミー」が定着していくのではないでしょうか。
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