救急絆創膏を
「バンドエイド」と言うように、
電子ピアノを
「エレクトーン」と言うように、
ぼくはスマートフォンを
「iPhone」と言います。
『マーケティング一番手の法則』です。
そのスマートフォンを考えたのは
もちろん Appleですが、
そもそもAppleは1980年代には、
iPadの構想はできあがっていました。
じつは、
iPadのほうが先に完成していたのです。
それは考えれば容易なことですが、
iPadはiPhoneの電話がないバージョン。
しかもiPhoneより大きい。
だから、
iPadのほうがカンタンにきまっています。
では、
なぜ iPadよりiPhoneのほうを
先に製品化したのか?
それは、
“電話” だから、です。
わかりやすく解説します。
これは練りに練られた
マーケティング戦略です。
Appleは、
世界中の人たちの手のひらに
Macintoshを持たせたかった。
そうするとこによって、
Appleのさまざまなハードとソフトを
届けることができるからです。
つまり、
Appleの提案したい世界が
実現できるからです。
これをビジョンの実現とか、
世界観をつくる、と表現します。
そのため、
手のひらサイズのパソコンを
どうやったら世界中のみんなに
持たすことができるか?
ひたすら考えたのでした。
パソコンを持ったことのある人ならば、
たとえWindowsユーザーでも
がんばってマーケティングすれば、
タブレットという文化を
浸透させられると思います。
でも、
パソコンのない人に
パソコンを持たせるというのは、
なかなかの至難の技。
そこで、
Apple、というか、
スティーブ・ジョブズが考えたのが、
“電話” というメッセージ。
「あ、電話か。
ならば、買ってみよう」
というように、
スンナリみんなの生活に
入り込めたのです。
電話なら、
知らないものでなく、必要なもの。
だから、
メガ・ホームランになったのです。
ちなみに、
その結果、
電話をかけなくなったのは、
皮肉な話ですね。
これ、マーケティングで
すごく大切なコンセプトです。
ブランディングするためにも、
このiPhone戦略の事例を
頭にすり込んでおいてくださいね。
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